文を読むことが苦手な子への教え方 コグトレ#6
今日は「読む力」について。
文を読むことが苦手な子どもに対して
よく大人たちがとる方法の一つは、
たくさん音読をさせることです。
私も、読む経験を何度も積ませれば
自然に上達するものだと思っていました。
上達するために時間をかけたがる
日本人の悪いクセかもしれません。
しかしコグトレを実施したことで、
文を読むのが苦手な子にも
適切な練習方法があることに
気付くことができました。
コグトレ実施方法
・教材は「漢字コグトレ1年生」
・1日に2種類の問題(全19種類)
・毎日の放課後10~15分
・対象は約10名
コグトレを実施したら、
毎回点数を記録してグラフ化。
コグトレとは?↓
漢字コグトレとは?↓
グラフの見方
グラフの見方を、Aさんを例に説明します。
※個人情報に配慮して、
実際の点数を載せてはいません。
縦軸が正答率、
横軸は問題ごとの身に付けさせたい力。
棒グラフはAさんのテストの正答率、
折れ線グラフは全体の平均正答率。
正答率と平均正答率とを比べることで、
その子の傾向を考えることにしました。
目をうまく動かせないCさん
※個人情報に配慮して、
実際の点数を載せてはいません。
Cさんは④⑤の正答率が
平均を大きく下回っています。
④⑤の問題は、
紙面に並べられた多くの文字の中から
指定された文字を複数探すというものです。
ウォーリーを探せの文字バージョン?
(問題の見本は下へ↓)
Cさんがこの問題に取り組む様子を
見ていて気付いたことが2つあります。
1.目線を隅から隅まで動かせていない
2.目線が上下左右へと散らばっている
これらは、かなり致命的です。
つまりCさんには、文章を読む前に
目をうまく動かすトレーニングが必要
だということがわかりました。
問題の例
「かんじかぞえ」
【ルール】
・漢字を数える
・数えながらチェックを付ける
・漢字の数を下に書く
リンク先のイメージ画像から
「漢字コグトレ4年生」の
問題を見ることができます。
コグトレには、この問題以外にも
目線を動かすためのトレーニングが
たくさんあります。
読む練習をするための教具
www.asahi-net.or.jpリンク先の「リーディングガイド」という
教具は、私も自作しました。
Cさん以外にもこのような教具が
有効な児童が何人もいました。
この本にはリーディングガイドを使うほか
・振り仮名を振る
・文節ごとに区切る
・マーキングや囲みで強調
・会話文を色分け
などといった方法も
読むことが困難な児童に対して有効だと
書かれています。
色々な方法を、
その子に合った形で支援することが
大切です。
むやみにたくさん音読させては、
音読嫌いになってしまいます。
昔の自分に言いたい...。