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通常級の支援が必要な子たちは、必要な支援がなされていない?

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今日も、昨日に引き続きこの資料について。

通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」文部科学省(2012)

 

 

 

はじめに

昨日の記事に書きました↓

 結果

 ⑹ 学習面、各行動面で困難を示す子どもの学校種、学年別集計
(勝手に30人学級で換算してみた)
小学校 7.7%→2.31人
1年生 9.8%→2.94人
2年生 8.2%→2.46人
3年生 7.5%→2.25人
4年生 7.8%→2.34人
5年生 6.7%→2.01人
6年生 6.3%→1.89人
 
中学校 4.0%→1.2人
1年生 4.8%→1.44人
2年生 4.1%→1.23人
3年生 3.2%→0.96人
 
 

⑺ 校内委員会で、特別な支援が必要と判断されているか

必要と判断されている 18.4%
必要と判断されていない 79.0%
不明 2.6%(1.6%~4.1%)

 

⑻学習面、行動面で困難を示す子どもの受けている支援の状況

現在、いずれかの支援がなされている 55.1%

過去、いずれかの支援がなされていた 3.1%

いずれの支援もなされていない 38.6%

不明 3.1%

 

⑼ -1「現在、通級による指導を受けていますか」

自校通級 2.4%

他校通級1.5%

受けていない 93.3%

不明 2.7%

 

⑼ -2「 過去に通級による指導を受けていたことがありますか 」

自校通級0.8%

他校通級※0.9%

受けていない 97.4%

不明 0.9%

⑼ -3「 過去に特別支援学級に在籍していたことがありますか 」

在籍していたことがある1.9%

在籍していたことはない 95.3%

不明 2.8%

 

⑼ -4「「個別の教育支援計画」を作成していますか 」

作成している1 7.9%

現在はないが過去に作成していた2 1.3%

作成していない 88.2%

不明 2.7%

 

⑼ -5「「個別の指導計画」を作成していますか 」

作成している7.9%

現在はないが過去に作成していた1.3%

作成していない 88.2%

不明 2.7%

 

⑼ -6 「特別支援教育支援員の支援の対象となっていますか 」

なっている8.5%

現在はなっていないが過去になっていた 1.4%

なっていない 87.2%

不明 3.0%

 

⑼ -7 「授業時間以外の個別の配慮・支援を行っていますか 」 (補習授業の実施、宿題の工夫等)

行っている26.3%

現在は行っていないが過去に行っていた 3.9%

行っていない 67.1%

不明 2.7%

 

⑼ -8 「 授業時間内に教室以外の場で個別の配慮・支援を行っていますか 」 

行っている 9.3%

現在は行っていないが過去に行っていた 1.7%

行っていない 86.3%

不明 2.7%

 

⑼ -9「  授業時間内に教室内で個別の配慮・支援を行っていますか 」 

行っている44.6%

現在は行っていないが過去に行っていた2.7%

行っていない 49.9%

不明 2.7%

 

-----長すぎるので今日はここまで-----

 

感想

 

⑹ 学習面、各行動面で困難を示す児童生徒の学校種、学年別集計を見ると、やはり1年生の割合は9.8%とかなり多い。

とはいえ30人学級として換算すると2.31人なので、思っていたほどは多くない。

学年が上がるにつれて、その割合も低くなっていく傾向がある。

ただ、小学校3年生から4年生にかけてのみ、その傾向を無視している。

ギャングエイジといわれるような、心の変化の影響だろうか。

それとも、学習内容が難しくなることによる影響だろうか。

 

 

⑻~⑼-9のデータからは、特別な支援を必要とする児童生徒が適切な支援を受けられていない印象を受けた。

そもそも、校内委員会で特別な支援が必要と判断されない割合が高い。

自分の経験でいうと、そこまで辿り着くことがとても難しいと思うことがある。

まず担任が子どもの困り感に気付いてあげる必要があり、それを分析しなければならない。

周りの先生に相談をし、資料を作って管理職はじめ校内委員会に提出する。

保護者の了承も得ないといけないが、ここで了承を得られずストップしてしまうことも多い。

 

私は学校で特別支援員と担任をつなぐ役割をしているが、学年が上の先生になるほど、支援員の補助を拒む傾向がある。

どのように連携をしていいのかわからないという。

 

だから多くの先生は、授業中に個別の配慮をしているのだと思っていたが、

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⑼ -9「  授業時間内に教室内で個別の配慮・支援を行っていますか 」 

行っている44.6%

現在は行っていないが過去に行っていた2.7%

行っていない 49.9%

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の質問で「行っていない」の割合が非常に高いことに驚いた。

 

その先生のクラスに、支援を必要とする子どもいないということはないと思う。

学級の中で支援を必要とする子どもがそれほど多くないからだろうか。

それとも、連携や支援の仕方がわからないからだろうか。