学校が始まれば教育格差が縮まると思っていたが、 そうではなかった。
『ポスト・コロナショックの学校で教師が考えておきたいこと』
コロナショックで広がる教育格差(前馬優策)
学校が始まった今、最も頭を悩ませているのが、学力格差である。
以下、原文引用。
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・学校に通わないことで、普段以上に時間をどのように使うか、家庭でどのように学習するかといった点で、個人レベルの格差が広がる恐れがある。
・今後数年にわたって、「出口の格差」が生じかねない可能性がある。FREEの調査によると、学生の13人に1人が大学等の退学を検討し始めている。
・また、「入口の格差」もある。小学校に入る前から、高学歴の親は「日常生活の構造化」をはじめとした「意図的養育」を行っている。学力格差はつまるところ小学校入学時点からの格差の蓄積であり、小学校一年生への支援が極めて重要になってくる。
・コロナショックにより、生活の場も切り崩されている。不安定な雇用状況に置かれていた子育て家庭が、より大きな影響を受ける可能性が高い。
教育格差を拡大させないために
・国や自治体による給付金の拡充
・学力格差の把握
・個別のニーズがあるこどもたちの状況把握
・GIGAスクール構想の実行
・学習を進める上で不可欠な意欲を喚起したり習慣の形成を促したりできるのは、子どもと関係がある教師に他ならない。その関係性こそが、子どもの学習を支えている。
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休校期間中から、児童間の教育格差について気になっていた。
全く課題が進まない子、
作業的に課題をこなす子、
真面目に課題に取り組む子、
+αの課題に取り組む子。
学校がない期間は、その違いがよく見える。
学校が始まれば教育格差が縮まるのではないかと思っていたが、
現実はそうではなかった。
特別な支援が必要な低学年のこどもたちは、
まず「決まった時間に学校に来ること」や「席に着くこと」から
指導しなければならなかったからだ。
それができたら
「話している先生を見ること」や「指示を受けて動くこと」など、
授業に取り組む態度を身に付けさせることが必要だった。
これは、現在進行形である。
しかし、休校中も生活リズムを整えて学習に取り組んでいた子たちは、
どんどん学びを吸収している。
同じ教室内に、
「学習内容を理解し、学力を向上させる子」と
「授業に取り組む態度を身に付ける子」が入り混じっている。
そうこうしているうちに、休校中以上に教育格差が広がっていく。
「毎日学校に来ること」の大切さを、今強く感じているところである。