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あまり国にいないオーストラリア国王の仕事は誰がする?

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昨日の記事には、

イギリス女王エリザベス2世がオーストラリア女王でもあるということを書きました。

suteacher.hatenablog.com

しかし疑問も湧いてきます。

エリザベス女王は何カ国もある

英連邦の「女王」としての仕事を、

どうやってこなしているのか。

 

 

オーストラリア総督

どうやらオーストラリアには、

オーストラリア総督」という

女王の代理人がいるようです。

 


国王(女王)の代理として、

オーストラリアの首都キャンベラに

駐在しているそうです。

現在のオーストラリア総督は

クエンティン・ブライス。

オーストラリア史上初の女性総督です。

(2013年時点)

 

最新情報はこちら↓

ja.wikipedia.org

 

「総督」の歴史

オーストラリアがまだ

イギリスの植民地だったその昔、

各植民地のトップは「Governor(統治者)」と呼ばれ、

イギリス政府によって任命された

イギリス人がその任務を任されていました。

 

しかし1800年代後半、

植民者が急激に増えたこともあり

行政権力は次第に政府に移行しました。

そしてGovernorの仕事は、

形式的なもののみとなっていきます。

 

オーストラリア連邦形成にあたり、

形骸化していくGovernorという役職を

廃止するという意見も多くでたそうですが、

存続され現在に至っています。

 

そのGovernorは現在

「Governor-General(総督)」と呼ばれ、

2008年の9月5日に

クエンティン・ブライスがその役職に就き、

初の女性総督としてオーストラリア内外で

大きなニュースになったそうです。

 

 

総督の選ばれ方

オーストラリア政府が指名した人物を

イギリスの王が任命する。

 

60年ほど前総督をめぐってトラブルが起こり、

それ以降にオーストラリア政府は

政治的野心の少なく、穏健で、

人々の尊敬を集めるような人物

連邦総督に指名する傾向が強くなったそうです。

 

 

 

「女王」にしても「総督」にしても、

オーストラリアにはかつての

イギリスの植民地時代の名残が残っています。


オーストラリアに住んでいると

そんなにイギリスを感じることはないですが。


習慣や文化、性格から国家体制まで、

日本人の私からすると信じられないことが多く存在します。

悪いのは学習者ではなくカリキュラムだ。

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今日からはこの資料について。

「学びのユニバーサルデザイン(UDL)ガイドライン全文」
Suggested Citation:CAST (2011).Universal Design for Learning Guidelines version
2.0.Wakefield, MA: Author.日本語版翻訳:金子晴恵バーンズ亀山静子
 
 
 
昨日の国語は、昨年の思い出を文にする学習でした。
しかしA君は、ずっと好きな虫の名前を書き続けていました。
 
休校を経て勉強する意味が以前にも増して分からなくなってしまったA君に、思い出を文にするという概念は伝わりません。
もはや、「思い出」の意味すらほとんどわかっていません。
A君にそのことをやらせようとすること自体が間違っているのではないかと思ってしまいます。
 
今日は登校日ではなかったので、他の学年の先生の教室を見に行ってきました。
支援が必要な子への対応がとても上手で、その子たちを否定する言葉を使わずに、うまく子どもを動かしていました。
 
「 通常教育の中で学べるように、障害を克服させようとしていた。」という言葉が資料の中にありますが、「それは自分のことではないか。」と思ってしまいました。
 
1人1人を伸ばすための、1人1人に合った方法がもっと他にあるのではないか。考えなおそうと思います。
 
 

序章

・ CASTは約26年前に、障害のある学習者が通常カリキュラムにアクセスするための方法の開発を始めた
 
・ 当初は彼ら一人ひとりを適応させること、あるいは“治す”ことの手助けに目を向けていた。
 
・ つまり、通常教育の中で学べるように、障害を克服させようとしていた。
 
・1980年代の終わりには、カリキュラムとその制限の方に視点を移していった。
 
・ ほとんどのカリキュラムは一人ひとりの多様性に対応できるものではなく、
障害があるのは学習者よりもむしろカリキュラムの方であり、学習者ではなくカリキュラムこそ「直す」必要があるのだと考えるようになった。
 
 

はじめに

 
・ 教育の目標は、単に知識や新しい技術の使い方を習得するだけではなく、学びのプロセスそのものを習得することにある。
 
・教育は学びの入門者を学びのエキスパート(expert learner )にする手助けをしなければならない。
 
・ 学びのエキスパート(expertlearner )とは、学びたいという気持ちを持ち、方略的に学ぶ方法がわかり、自分に合った柔軟なやり方で生涯にわたる学習に十分備えられている者をさす。
 
・UDLは、最初から全ての学習者のニーズに合った教育をどのようにつくっていくかを理解するための枠組みを提供する。
 
 

UDLの概念

・UDLは、「全員一律で対応させようとさせる(one-size-fits-all)」ようなカリキュラムに対処するための枠組み。
 
 特別な能力や才能を持った学習者や障害のある学習者など、いわゆる「“ふつう”の枠に収まらない」学習者はとりわけそうした障壁に阻まれがちである。
 
 
 

3原則

原則Ⅰ  提示のための多様な方法の提供

・ 提示された情報をどのように認識し、理解するかは、学習者によって異なる。
 
・感覚器官に障害のある人、学習障害のある人、言語や文化の異なる人などが学習内容にアプローチするためには、皆それぞれに違った方法が必要になる。
 
・ 全ての学習者に最適な一つの提示方法はない。
 

原則Ⅱ  行動と表出のための多様な方法の提供

・ どのように学習を進めたり知っていることを表現するかは、学習者によって異なる。
 
・ 自分の伝えたいことを言葉で話すのではなく書いて表現する方がうまくできる人もいれば、その逆の人もいるかもしれない。
 
・ 全ての学習者に最適な一つの行動や表出の方法はない。
 

原則Ⅲ  取り組みのための多様な方法の提供

・ どんな方法で学習に取り組んだりやる気を出したりできるかは、学習者によって顕著に異なる。
 
・ たまたま起きたことや目新しいことだと張り切って取り組む学習者もいれば、そういうものには取り組まない学習者もいる。中には、そのような要素を不安がって、むしろいつも決まった事柄に取り組むのを好む学習者もいる。一人で作業するのを好む学習者もいるかもしれないし、仲間と作業するのを好む学習者もいる。
 
・ 全ての学習者にとって全ての状況で最適な一つの取り組みの方法はない。

オーストラリア人のホストマザーがエリザベス女王を敬愛する理由がわかった

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2013年5月30日

 

今日はスイートポテトの

プランティング(植え付け)でした。

腰が壊れました。

遂にゲットしたレギュラーファームは、

うちの宿で1番過酷なファームでした。

今までとは比較にならない過酷さです。

 

今日は、

オーストラリアの君主について。

 

つい最近知ったのですが、オーストラリアの君主は

イギリス女王として有名なエリザベス2世なのだそうです。

2ヶ月もオーストラリアに居るのに

知らないなんて情けない...。

 

なぜ女王が同じなのか?

不思議に思い、調べてみました。

 

エリザベス女王は決して特定の国の女王ではなく、

英連邦王国(Commonwealth realm)の女王とのこと。

 

英連邦王国はイギリスと元イギリス植民地の

国々で構成されています。

加盟国は

イギリス

オーストラリア

ニュージーランド

カナダ

ツバル

ソロモン諸島

セントビンセント

グレナディーン

セントルシア

セントクリストファー

ネイビス

パプアニューギニア

ジャマイカ

グレナダ

ベリーズ

バルバドス

アンティグア

バーブーダ

バハマ

の16カ国で、全ての国の女王・元首はエリザベス2世です。

(2013年時点)

 

最新情報はこちら↓

ja.wikipedia.org

 

名目上は「英連邦」でもこれらの国々は

現在は完全に独立しており、

平等な関係にあります。

女王については、例えば現在のエリザベス2世は、

オーストラリアで「オーストラリア女王」として、

カナダで「カナダ女王」として、

ツバルで「ツバル女王」として、

それぞれ君臨する(君臨すれども統治せず)のであり、

いずれも決して「イギリス女王」として君臨する訳でなく、

各々の王位が相互に独立している関係にあるそうです。

ホストマザーのロスがエリザベス女王を

敬愛していた理由が分かりました。

オージーにとって、

自分たちの国の女王でもあったのですね。

 

オーストラリアの首都があまり知られていないキャンベラになったわけ

キャンベラ日帰りツアー [トラベルドンキー] シドニー・オーストラリア

2013年5月29日

オーストラリアの首都は「キャンベラ」です。

キャンベラを知らないという人も多いと思います。


オーストラリア内陸部では最大の都市ではあるものの、

決して大きな街ではありません。

人口も、決して多くはありません。


オーストラリアの主要都市人口ランキング
1位:シドニー(430万人)

2位:メルボルン(380万人)

3位:ブリスベン(180万人)

4位:パース(150万人)

・・・・・

6位:ゴールドコースト(58万人)

・・・

8位:キャンベラ(38万人)

少ない!!

 

本題です。

なぜキャンベラが首都なのか。

110年前、オーストラリアは1つになりました。

そこで問題になったのは、首都をどこに置くか

手を上げたのはオーストラリアの2大都市シドニーとメルボルン。

 

互いに譲らず、妥協策として

地理的にシドニーとメルボルンの間に位置する

キャンベラが首都に決まったんだそうです。

キャンベラ市民はよほど驚いたのではないでしょうか。

 

オーストラリアの正式名称はオーストラリアではない?

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オーストラリアの正式名称は、

オーストラリア連邦。

英語でCommonwealth of Australia

 

 

連邦制とは?

オーストラリアには、

6つの州と1つの特別地域が存在します。

ちなみに私がいるバンダバーグはクイーンズランド州です。


日本人にはなじみの薄い連邦制。

2つ以上の国(州)が1つになった国家のことです。

 

オーストラリア連邦の歴史

18世紀後半、イギリスはオーストラリアの開発を本格的に進めます。

その理由は、主に豊富な資源の獲得と、囚人を送り込む場所の確保です。

しかし決して皆でまとまって植民地化を進めたわけではなく、

色んな集団が、色んなところでそれぞれ別々に入植を始めました。

そしてそれぞれ別々に独立した自治体を形成しました。

 

そういうわけで、元々オーストラリアは1つではありませんでした

 

オーストラリア連邦になったわけ

しかしなぜそれぞれの自治体は1つになろうとしたのか。

理由は主に3つあったそうです。

 

1.経済的理由

国外に対する産業保護と、国内の貿易のため。

また1890年代の経済危機とその後の労働問題はとても深刻で、

国として1つになって解決する必要があった。

 

2.防衛上の理由

19世紀末の帝国主義の時代になると、

列強の太平洋進出が現実のものとして感じられるようになった。

このような対外的脅威に対抗するため、

統一的な軍事組織を持つ必要があった。

 

3.移民問題

ゴールドラッシュ以降の非ヨーロッパ系移民を制限するために、

オーストラリア全体で包括的なルールが必要とされた。

 

そして1901年1月1日、

20世紀のはじまりとともに、

オーストラリア連邦 the Commonwealth of Australia が誕生しました。

 

 


日本も外国の力への対抗や国家財政の安定が目的で日本を一つにしたわけですが、

大きな違いは、日本は結局1つ1つの藩を潰してしまったことだと思います。

日本では新たに国ができるとき戊辰戦争などの戦争が起こりましたが、オーストラリア連邦はわりとあっさり成立したようです。

 

suteacher.hatenablog.com

ここで書いたようにAnzac Dayが大きな意味をもつ理由も、このあたりにあるのかもしれません。

 

国旗に隠される意味とは?

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2013年5月27日

 

今日ATMを確認したらしっかりと600豪ドル入っていました。
助かった...。

 

今日は国旗について。

 

今日仕事で使っていたトラクターに、

オーストラリア国旗が吊られていました。

オーストラリアの国旗にはどんな意味が隠されているのだろう。

ふと疑問に感じたので調べてみました。

 

------------------------------------------------------------------------------------

オーストラリアの国旗は、旗の左上にイギリスとのつながりを象徴するユニオンフラッグ(イギリス国旗)を、右側には国土が南半球にあることを象徴する南十字星を、そして左下には6州1準州による連邦を象徴する七稜星を配している。

オーストラリアの国旗 - Wikipedia

-------------------------------------------------------------------------------------

 

オーストラリアの国旗は、

・イギリスと深い繋がりがある。

・南半球に位置している。

・連邦制をとっている。

という意味が含まれているようです。

 

国旗というのは、

国が大事にしている概念みたいなものを

表しているかなと勝手に予想していましたが、

これだとまるでオーストラリアという国の

超簡潔な説明だなと感じました。

少し意外でした。

 


日本の国旗についても、調べてみました。

結論から言うと、

色んな説があってよくわかりませんでした。

 

以下、上皇陛下のお言葉です。


-------------------------------------------------------------------------------------
「世界の国々が国旗、国歌を持っており、国旗、国歌を重んじることを学校で教えることは大切なことだと思います。国旗、国歌は国を象徴するものと考えられ、それらに対する国民の気持ちが大事にされなければなりません。オリンピックでは優勝選手が日章旗を持ってウィニングランをする姿が見られます。選手の喜びの表情の中には、強制された姿はありません。国旗、国歌については、国民一人一人の中で考えられていくことが望ましいと考えます」

-------------------------------------------------------------------------------------

 

国旗はじめ、国の象徴をどのように捉えるかは自分たち次第。

答えは無いけど、常に問い続けていくことが大切だとわかりました。

 

 

UDLガイドラインで子どもの困り感を整理する

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今日はこの論文について。
 
鶴貴美子(2020) 通常の学級における発達に課題のある児童への合理的配慮提供の推進 ―ショートタイム研修による教員の指導力向上を通じて―
福岡教育大学大学院教育学研究科教職実践専攻年報 第10巻 pp.163-170
 

1.目的 2.第1研究 3.第2研究

suteacher.hatenablog.com

4.第3研究

⑴目的

学び のユニバーサルデザイン (以下UDL)の授業づくりに関するショートタイムでの職員研 修を行い ,職員の指導力向上を目指す。
 

⑵方法

・ 全職員を対象としたショートタイム研修を行う。
・ 学級に報告者が介入しながら授業実践を行う
・ 「通常の学級での特別支援教育のスタンダード」(東京書籍 )のアンケートで自己評価をする。
・ UDLの授業時数の割合について,月ごとの変化を図る
 

⑶結果と考察

・ショートタイム研修開始時と実施後では,全ての項目について数値が上昇した。
・特に「時間の構造化」「情報伝達の工夫」「言葉のつまずき」に関する数値に大きな上昇が見られた。
・介入学級の担任によるUDLの授業実践について は, 9月の段階ではUDLの授業実践が87% であっ たが,10 月と11 月は100% 実施された。
 

 

5.第4研究

⑴目的

合理的配慮提供とともにUDLの授業づくりを実践することにより配慮を要する児童を含む介入学級のすべての児童の学びやすさを向上することを目指す。
 

⑵方法

・ 介入学級 学級における抽出児童と全児童を対象とした。
 
・ ASSESSを使い ,支援開始の 月と学級担任 による授業実践後の 月の 2回実施する
 
・ 授業の中で、オンタスク(正の反応)とオフタスク(負の反応)の状況を時間サンプリング法で記録した。
 
・ オフタスクが起きる要因を,報告者と担任とで確認分析し,抽出児への支援方法を報告者が担任にコンサルテーションを行いながら検討した。
 
・検討内容を基に担任が授業計画を立て、報告者が必要な教材を作成した。
 
・担任が合理的配慮提供とUDLの授業を実施した。
 

⑶結果と考察

・ 抽出児童 名ともに,オンタスク行動が続き,オフタスク行動がほとんど見られなかった。
 
・ASSESSの結果 から、「教師サポート」「友人サポート」「向社会的スキル」の数値に上昇が見られ,A児とC児の「学習的適応」の数値に上昇が見られた。
 
・支援実施前と比べて,「学習的適応」の数値が, 3学級中2 学級で有意に上昇した。
 
・ 「生活満足感」「教師サポート」「友人サポート」「向社会スキル」「対人的適応」の5因子については, 学級ともに有意に上昇した。
 
・ このことから困難に特化した支援を,学級全体の児童にもUDLガイドラインチェック項目に対応させて授業を実践することで,学級全体の「学習的適応」「対人的適応」「向社会スキル」にも,よい効果をもたらすことが示唆された。
 
 

6.総合考察

・本研究 では,対象児童への支援を中心とした,学級全体への学びやすさを視野に入れた授業づくりを行うことの有効性が示されたと考えられる。
 
・ 報告者の介入による担任との支援方法の検討は,担任の指導力向上につながったと考えられる。
 
・複数の職員で支援方法 を検討する場の 確保や,特別支援に関する定期的な 校内研修の実施に よって ,合理的配慮提供のプロセスを確立させていくことが必要であると言える。
 
 

感想

①内容について

支援が必要な子は、目につきやすいので手を掛けることはするが、その手立てが果たして適切なのかがわからないことがある。
手探りでやることが多いため、良い方法にたどり着くまでに時間がかかることもある。
UDL ガイドラインのように支援方法が整理されていると、それらの問題が大きく改善されると感じた。
 

②方法について

・時間サンプリング法
 
 
次回はUDLガイドラインについてまとめたい。
 

オーストラリア事件簿シリーズVol.3 泥棒多め

驚く人のピクトグラム

長文で書くまでもない、

オーストラリア事件簿を紹介します。

 

 

#5 wifi泥棒

今日もオーナーの怒声が響き渡りました。

wifi泥棒です。

他の宿にいるイタリア人が、

うちの宿のwifiを勝手に使っていました。

 

 

パスワードが流出しています。

犯人が誰かは分かりません。

自分たちは悪くないのに、

またwifiが使えなくなりました。

 

今日は運よくマックのwfiがつながりましたが、

明日は分かりません。

勘弁して欲しいです... 。

 

 

#6 服泥棒

今日は、ファーム用の服を盗まれました。

あんな汚い服を盗む人の気が知れません。

 

オーストラリアへ来てから、

・スケボー

・アイフォン

・洗剤

・サランラップ

・ファーム用の服

を盗まれました。

 

無駄な出費が多いです。

しょうもないことをする人が本当に多い。

 

#7 あわや大惨事

ファームへは、毎朝宿のオーナーが

運転するバスに乗って向かいます。

 

今朝そのバスが、突然故障しました。

走り始めて5メートルほどで、

車から煙が上がってきたのです。

車内はパニックです。

 

オーナーはすぐにバスを止めて

みんなすぐにバスから降りました。

幸い煙が上がっただけで全員無事でした。

 

オーナーが言いました。

「いやー、そろそろ替え時だね。」

 

そこに居た全員が心の中で、

それぞれの言語で「遅いわ!」

突っ込んでいたことでしょう。

 

オーナーの沸点がどこにあるのかは

わからないのでみんな何も言いません。

 

suteacher.hatenablog.com

 

こどもたちのニーズを教師が受け取ることが第一段階

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今日はこの論文について。
 
鶴貴美子(2020) 通常の学級における発達に課題のある児童への合理的配慮提供の推進 ―ショートタイム研修による教員の指導力向上を通じて―
福岡教育大学大学院教育学研究科教職実践専攻年報 第10巻 pp.163-170
 

1.目的

・ 児童の実態把握や合意形成,配慮事項の検討などの提供の方途を校内で明らかにし,職員の実践力を高めていく。

 

・ 支援の必要な児童を含む学級全体の児童への学校適応感の向上を図り,通常の学級担任による合理的配慮提供と授業のユニバーサルデザイン化の有効性を検証する。

 
 

2.第1研究

⑴目的

学校の実態や職員のニーズを把握して研修を行い、職員の指導力向上を検証する。

 

⑵方法

・校内研修

・職員

・「校内支援体制の充実度点検シート」 を使って ,職員のニーズを把握した。

・ 職員のニーズが高か った項目を中心に研修内容を決定した。

 

⑶結果と考察

校内研修による実践意欲が高まった。

 
 

3.第2研究

⑴目的

支援の必要な児童を検討し,報告者と対象学級の担任とで先行支援を行うことで,合理的配慮提供の有効性と効果的な実践方法について検証する

 

⑵方法

・4学年X組30名と担任教師

 

・児童の検証「学校環境適応感尺度」(以下 ASSESS)(栗原・井上2010 )を6月と11月の2度実施

 

・ 「教師 サポート」「友人サポート」「学習的適応」の 因 子について,分析する。

 

・担任教師には、「通常学級での特別支援教育のスタンダード」(東京書籍)の4件法による アン ケートを報告者介入前と介入後の2回行う。

 

・抽出児童を3名決定する

 

・ 「合理的配慮の決定について」(文部科学省 )に基づいて,①意思の表明,②調整 ,③提供・決定 ,④評価 ,⑤見直しの手順に沿って合理的配慮の提供を行った。

 

⑶結果と考察

・ 抽出児童 3名において ASSESSの「友人サポート」の数値が大きく上昇し た。
 
・ 他の児童にも同じ支援を提供したり,ソーシャルスキルトレーニングなどの支援を学級全体で行ったりしたことで,介入群の学級については,協力群の学級と比較し,「学習的適応」が有意に上昇した。
 
・ 「生活満足感」「非侵害的関係」「対人的適応」にも有意な上昇が見られた。
 
・ 担任の指導力については,「情報量の調整」「内容の構造化」の項目の数値が上昇した。
 
・ 合理的配慮提供に加えて,学級全体への支援を他の児童にも行う授業作りを行うことによって,学級全体の「学びやすさ」が向上したのではないかと考えられる。
 
---------------今日はここまで------------
次回、第3研究と第4研究
 

感想

①内容について

前回のレポートでは、ある児童にとって良い方法が必ずしも他の児童にとってよい方法とは限らないということについて書きましたが、やはり良い方法というのはある程度伝播するものだと感じました。特定の児童へのかかわり方を知ることで、支援の様々なパターンを習得し、応用しようとするということもあると思います。
 
「合理的配慮の決定について」(文部科学省 )のように、合理的配慮にも型があることを改めて知りました。1番に来るのはやはり「①意思の表明」で、こどもたちのニーズを教師がしっかりと受け取ることが第一段階のだと思いました。そして「 ③提供・決定 」で終わるのではなく、 「④評価 ,⑤見直し」まで実施しているところが良いのだと思います。
 

②方法について

・はじめに研修を行い、効果的な方法を伝えている。
・ 「学校環境適応感尺度」ASSESS (栗原・井上2010 )
・ 「通常学級での特別支援教育のスタンダード」(東京書籍)の4件法
・ 「合理的配慮の決定について」(文部科学省 )

オーストラリア事件簿シリーズVol.2 残高が3000円。

驚く人のピクトグラム

長文で書くまでもない、

オーストラリア事件簿を紹介します。

 

#3 残高が3000円。

明細を見ると、ズッキーニ畑で働いた分と

先週分の給料がまだ入っていませんでした。

本当は今週までに全部入るはずだったんです。

それが全部入っていませんでした。

残高が3000円です。

事件です。

 

#4 ルームメイトのカーストを知る

今のルームメイトはこの6人です。
イギリス人A:派手系女子
イギリス人B:清楚系女子
アイルランド人:イケメン男子
ドイツ人:ゲームオタク男子
フランス人:物静か女子
日本人:ワタシ
 
ルームメイトと言っても寝るとき以外は
部屋にはいないのでよく知りませんでした。
 
夜中の2時ごろ、
イギリス人A(派手系女子)とアイルランド人が
騒ぎながらバーから帰ってきました。
 
みんな寝ています。
イギリス人Aが部屋で嘔吐し始めました。
4人全員起きます。

イギリス人B(清楚系女子)がキレました。
見た目からは想像もできない、汚い言葉が次々と出てきます。
イギリス人A、言い返すも惨敗。
アイルランド人は、固まっていました。
フランス人は、イギリス人Aを介抱していました。
ドイツ人は寝ていました。
ワタシは寝たふりをしました。
ボスの存在を知りました。
私の部屋にもカーストはあったようです。
 
 

学校の画一的な指導・環境になじまない子は排除される

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引き続きこの論文について。

市川和也(2019)通常学級における特別支援教育のあり方 --授業のユニバーサルデザインをめぐる論争に注目して --
京都大学大学院教育学研究科・教育方法学講座  教育方法の探究 第21巻 pp.37-44
 

1.はじめに 2.授業UDの展開

suteacher.hatenablog.com

 

3.授業UDに対する評価

 
・授業UDに対する疑問の声も少なからず上がっている。
 
・授業UDによってもたらされた指導方法・学級環境が画一的な学習規律となり、そのスタイルになじまない子が排除されてしまうという可能性がある。
 
・授業UDによって、 子どもの多様性に応じるという視点が失われ、考えなくなる教師が増えるという懸念が示されている。
  
・ 柘植も、授業UDの手法がどんな障害を持っている子どもにも通用すると誤解されることに対して警戒感を示している。
 
・ 湯浅は、学習の主体としての子どもの合意・納得を得ながらこの過程を推し進めていくことを主張する。
 
・ 石橋は、授業UDの普及によって通常学級においても特別なニーズをもっ子どもに対する支援の手立てを共通理解することが容易になる一方で、 それぞれの教師が授業のなかで応答的に子どものニーズをとらえて支援するという文脈が現場では弱まってしまうという課題があると指摘する。
 
・ 赤木は子どもの学びの「違い」を重視する新たなインクルーシブ教育観の構築を求める。
 
・ 教師が捉えた子どものニーズを先回りしてつまずきがおこらないように教師が配慮するという授業UDとは異なり、インクルーシブ授業論においては教師と子どもがつまずきをきっかけに授業を創り出す。その際に子どもは学習の主体として現れ、意見を表明し「暗黙のルール」の転覆を図り、新たなルールを作り出す。
 
 

4.UD概念に内包される可能性


・授業UDに対しては、教師が画一的な学習規律を提供する一方で、子どもが学習の主体として学習規律を自ら編みなおしていくという面が弱いという点が批判されてきた。
 
・一方でUDにはそれを乗り越える可能性もあるという。
 
・ UDの設計プロセスには設計者のみならず、常に使用者の参加が必要となるという。
 
・ 授業UDが更なる展開をするためには、教師によるつまずきの想定という点だけではなく、UDの受益者である子どもたちに自らのニーズをいかに翻訳させ、授業を編みなおす過程にいかに参加させるかという点について検討しなくてはならないだろう。
 
 

5.おわりに

 
・授業UDは、この技術を使用・改善する側である教師たちによって議論が活発になされている。
 
・ しかしながら 授業UDという授業の技術は教師だけではなく、子どもも設計の主体として位置づける必要がある。

・ 授業UDとして本来的に必要とされるのは、教師による子ども理解に対して異議を唱え、あるいは他の子どもの非言語的な訴えを言語化して共有し、そしてそれによってよりよい学習参加の保障を求める学習主体としての子ども像と考えられる
 
・ この子ども像に基づいて授業UDが再構成されるならば、教師と学習主体としての子どもが議論・合意を通して教室内の「暗黙のルール」や学習規律、授業を編みなおすことが可能となるであろう。

・ 合意に基づいて学習規律や授業を繍みなおす過程は容易ではない。
 
・ しかしながら、こうした困難さがありながらも子どもたちが学習の主体となって教師とともに授業を作っていくことが求められる。
 
 ・ なぜならUDそれ自体がユニバーサルであることへの絶え間ない希求の過程であるからである。
 
 

感想

合意形成が必要だという話は、学級に限らずどんな組織にも共通することだと思いま
す。 
政府が国民の合意を得ないまま法律を決めたり、校長が先生たちの合意を得ないまま方
針を決めたりしたら文句を言いたくなります。
でも学級では担任がルールをたくさん作って、押し付けてしまいがちです。
 
私の学級では筆箱は、縦向きにして隣の机とくっつけると決めています。そこが、一番落としづらいからです。
でもA君は、そこに筆箱を置くとどうしても気になって勉強に集中できないようでした。
そのルールを決めたのは私で、その方がこどもが困らないと思っていましたが、一番は私が困らないためだったのかもと思いました。(筆箱を落とす音がうるさいのでとても嫌いです)
 
授業の学習過程にしても、教科ごとにできるだけ毎回同じ形にしようとしています。
それも、自分がやりやすいようにを考えて、子どもの思考の流れを考えることが足りなかったように思います。
 
UDそれ自体がユニバーサルであることへの絶え間ない希求の過程であるからである。」
とあるように、恐らく完璧なやり方というのは無いのだと思います。
子どもの数だけ違う方法があるので。
汎用的な方法を見つけようとしすぎるのではなく、今の方法でよいかを問い直し続けることが大切なのだと思いました

オーストラリア事件簿シリーズVol.1 「I'm owner. you are worker!!」

驚く人のピクトグラム

長文で書くほどでもない、

オーストラリア事件簿を紹介します。

 

#1 ズッキーニ大戦争

suteacher.hatenablog.com

 

 

#2 「I'm owner. you are worker!!

どこの宿でも皆不満だらけらしいですが、
うちは特にひどいかもしれません。

昨日入ったフランス人カップルが、
ある部屋へ通されました。
なぜか皆ざわついていました。
 
その部屋はうちの宿で唯一、
ダニがものすごい部屋なんだそうです。
 
それに気付いたフランス人カップルは、
部屋を掃除し始めました。
 
部屋のものを全部出してダニを退治し、
その夜は寒い中ダイニングで寝ていました。
 
今朝、オーナーの怒鳴り声が聞こえました。
「なに勝手なことしとるんだー!!」
 
彼らは宿を追い出されました。
オーナーに文句一つ言わなかったにも関わらず。
めちゃめちゃです。

オーナーに文句を言うと、
「Im owner. you are worker!!」

と恫喝されるそうです。


仕事、給料、周りの人、宿は問題ないですが、
ただオーナーだけが大問題です。

触らぬ神にたたりなしですが、
私にはまだ給料問題が残っています。
できるだけ穏便にいきたいと思いますが、
心の余裕がありません。笑

オーストラリア豆知識シリーズ Vol.2 オーストラリアの女王は英国と同じ!

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長文で書くまでもない、

オーストラリア豆知識を紹介します。

 

  

#6 イギリスのNEWSがよく流れる

イギリスは、オーストラリアの宗主国です。

TVではよくイギリスのNEWSが流れています。

ルームメイトのイギリス人によると、

でもイギリスではオーストラリアのNEWSは

ほとんど流れないそうです。

ホストマザーのロスは、英国女王エリザベス2世は

偉大だとよく言っていました。

日本人には、なんだか不思議な関係に思えます。

 

#7 オーストラリアの女王は英国と同じ

オーストラリアの君主は

英国女王、エリザベス2世なのだそうです。

2か月もいて、全然知らなかった...。

だからロスは、エリザベス2世を偉大だと

しきりに言っていたんですね。

 

 

#8 歩行者に優しいドライバー

横断歩道でとまっている人がいたら

車はほとんど止まります。

スピードが出ていても。

斜め横断しようとする歩行者がいても

止まってあげたりしています

笑顔でありがとう!と合図をすると

笑顔で返してくれます。

ウィンクする人もます。

歩行者と運転手までも距離が近くなる国、

オーストラリア

 

#9 トヨタの車が多い

トヨタの車をよく見かけます。

車だけでなく、トヨタの会社もよく見かけます。

調べてみると、

オーストラリアで車を生産している会社は

ホールデン・フォードオーストラリアトヨタの

3社だけなんだそうです。

三菱・日産・ホンダ・マツダ・スバルも

オーストラリアに工場を持っていたそうですが、

既に撤退しているようです。

トヨタ強し。

 

#10 なまりがひどい

オージー英語はなまりがひどいです。

宿にはイギリス人やアイルランド人もいますが、

彼らの英語のほうが聞き取りやすいです。

イギリス人からしたら、

オージー英語は日本でいう方言みたいに

思っているのでしょうか。

 

 

suteacher.hatenablog.com

 

 

 

オーストラリア豆知識シリーズ Vol.1 国際コアラ会議が開かれている!

コアラ - Wikipedia

長文で書くまでもない、

オーストラリア豆知識を紹介します。

 

  

#1 国際コアラ会議が開かれている!

ネットニュースで知りました。

コアラの保護を進めているそうです。

 

#2 店員さんは必ず「How are you?」

オーストラリアに限らず外国がでしょうか。

どの店でも、必ず「元気?」と笑顔で言われます。

「いらっしゃいませ。」よりも、親しみを感じます。

そこから会話が始まります。

挨拶から、オージーの国民性が伺えます。

 

#3 街が綺麗

オーストラリアの街は、外観が驚くほど綺麗。

(店の中や家の中はそこまで...。)

観光地ゴールドコーストだけかと思いきや、

田舎町バンダバーグもそうです。

特に、掃除の人も見当たりませんが、

ゴミが全く落ちていません。

ゴミ箱が多いからでしょうか。不思議です。

 

#4 1階建てが多い

ゴールドコーストでもバンダバーグでも、

ほとんどの家が1階建てです。

そして、とても広いです。

人口密度が低いからでしょうか。

それにしてもオーストラリアは、

家も人も街もゆったりとしています。

 

#5 図書館は楽しむところ?

ゴールドコーストの図書館は本だけでなく

漫画も、DVDも、CDも、ゲームまであって、

図書館というよりも児童館のようでした。

ブリスベンでも、バンダバーグでも同じように

楽しむ要素がたくさんありました。

そのせいか、日本よりも年齢層が幅広いです。

オーストラリアの図書館は、

「みんなが楽しめる」図書館なのかなと感じます。

「どんな先生もできる」「どんな子どももわかる」UD授業

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今日はこの論文について。

市川和也(2019)通常学級における特別支援教育のあり方 --授業のユニバーサルデザインをめぐる論争に注目して --
京都大学大学院教育学研究科・教育方法学講座  教育方法の探究 第21巻 pp.37-44

 

1.はじめに

・授業のユニバーサルデザインについて検討する。

 

・授業UD学会の授業UDに限定して検討する。

 

・授業UDの理論的整理を試みる。

 

インクルーシブ授業研究会による授業UDに対する批判を検討することによって授業UDの課題を明らかにする。

 

授業UDの展開の際に取りこぼされてしまった一つの可能性を明らかにする。

 

通常学級における特別支援教育のあり方を考えるための一つの示唆を示したい。

 

 

2.授業UDの展開

・授業UD研究会は、授業UDについて次のように定義した。特別な支援が必要なAさんに対する指導の工夫や配慮は、バリアフリーとしてだけではなく、全員の子どもが、楽しく「 わかる・できる」授業のユニバーサルデザインになる。

 

・ ここでは特別なニーズをもつ子どもの支援が他の子どもに対する学習支援となるという前提の下で、授業UDが構想されている。

 

・ 例えば桂聖は思語科での読みを深めるために「焦点化する」、「視覚化する」、「共有化する」という指導方法を考案する。

 

・ 小貫は、学級環境のUD化として例えば整理整頓、黒板周りに掲示を行わない、 ルールの明確化、子ども同士の相互理解を挙げている。

 

・ 小貫は、個別的配慮をするために指導方法・学級環境を安定化する必要があると述べる。なぜなら、個別的配慮というのは指導方法の一部でしかないからである。

 

・また、授業UDにおいては教師が子どものつまずきを事前にできるだけ想定し、そのつまずきに対して最善の支援を行うことが求められている。

 

・以上の整理から、授業UDは特別なニーズをもつ子どもに注目し、指導方法・学級環境を工夫し、そのうえで個別に対応することによってその子どもに必要な支援を提供するといえる。

 

 

---今日はここまでにします。---

 

感想

「どんな先生もできる」「どんな子どももわかる」といった考え方はTOSSにも通じるものがあります。

 

「特別なニーズをもつ子どもの支援が他の子どもに対する学習支援となるという前提の下で、授業UDが構想されている。」 

これは当然のことだと思っていましたが、あくまで一つの考え方に過ぎないのだと気付きました。ある世界でよしとされている考え方が、他の世界でもそうだとは限らないことを肝に銘じたいと思います。